新領域和解学創成の概要と活動

活動報告

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2018年8月21日、一橋大学ヨーロッパ・アジアセミナーにおいて領域代表者の招待講演が行われました

一橋大学で開催されたヨーロッパアジアサマースクールに講師としてお招きいただき、近代日本の国民形成と靖国神社について簡単な講演をさせていただきました。トルコから来た一橋大学公共政策大学院の大学院生はじめ活発に質問いただきありがとうございました。

話した要点は、神社が戦国時代において戦国大名が庶民を組織化する有力な手段となっていたこと、長州・毛利の中にその伝統は残っていたのではないかということ、長州の大村益次郎が幕末に再び高杉晋作とともに奇兵隊という被差別民や農民からなる軍隊を組織し実戦に投入したこと、靖国神社を大村が作ったのはそれまで百姓といわれてきた庶民からなる軍隊を意識していたこと、大村は本来は蘭学者としてシーボルトの娘に蘭語を教えた医師であったこと、大村が西南戦争を意識しつつ暗殺されその棺はやがて日本陸軍の中堅となる寺内正毅らによって担がれたたこと、戊辰戦争と西南戦争の「官軍」が最初の合祀者となったことなどです。次の日に学生さんが実際に靖国神社に足を運ぶ際に、しっかりとした認識の足場としてお役に立てば幸いです。